防炎カーテンとは?必要性・義務対象・素材の違い・選び方を解説
- TOP
- /
- カーテン専門情報一覧
- /
- 防炎カーテンとは?必要性・義務対象・素材の違い・選び方を解説
防炎カーテンとは?必要性・義務対象・素材の違い・選び方を解説

火災対策や安全基準の強化により注目されている「防炎カーテン」。
ホテルやオフィス、病院などだけでなく、一般家庭でも導入が進んでいます。
この記事では、防炎カーテンの仕組み・必要性・法的義務・素材の違い・選び方のポイントについて解説します。
1.防炎カーテンとは?
防炎カーテンとは、火がついても燃え広がりにくいように加工されたカーテンのことです。普通のカーテンは一度火がつくと一気に燃え広がる危険がありますが、防炎カーテンは燃焼を抑え、火災の拡大を防ぐ役割があります。
生地自体が燃えにくい素材を使用していたり、特殊な防炎加工が施されているのが特徴です。
製品には日本防炎協会が認定した「防炎ラベル」が付いており、信頼性のある製品であることが一目で分かります。
安全性を重視する、ホテルや病院、公共施設などで広く採用されています。
2.なぜ防炎カーテンが必要なの?
火災は突然発生し、想像以上のスピードで広がります。
防炎カーテンを使用することで、以下の効果が得られます。
2-1.延焼を防ぎ、避難時間を確保できる
炎の広がりを抑えることで、初期消火や避難に必要な時間が確保できます。
2-2.人命を守る安全対策
カーテンは室内に面積が多く、火源が触れると一気に燃えやすいアイテム。
防炎カーテンはそのリスクを大幅に減らし、安全性を高めます。
2-3.施設利用者に安心感を与える
病院やホテルなどでは、
「安全への配慮が行き届いている施設」
として利用者からの信頼向上にもつながります。
災害時の安全対策としてだけでなく、施設の信頼性を高める重要な要素と言えるでしょう。
3.防炎カーテンが義務化されている場所とは?
消防法およびその施行令によって、一定の用途や構造の建物では設置が義務化されています。
3-1. 高さ31メートルを超える高層建築物
地盤面からの高さが31メートルを超える建物は「高層建築物」として扱われます。
この場合、建物の用途が住居やオフィスなどに関わらず、内部で使用するカーテン類は防炎物品でなければなりません。
高層マンションも、この高さ条件を満たすと義務の対象となります。
3-2.地下街
商業施設や飲食店が連なる地下街では、火災時に煙や熱がこもりやすく、避難が困難です。
そのため、使用されるカーテン・ブラインド・じゅうたんなどは防炎品であることが義務化されています。
3-3.消防法施行令「別表第1」に定められた用途の建物
ホテルや病院、店舗などが対象です。
これらは、不特定多数の人が出入りする・避難が困難な構造であることから、法的に防炎品の使用が求められています。
これらの施設では、防炎性能を持たないカーテンを使用すると消防法違反となる場合があります。
4.義務の対象外となる場合
すべての建物で防炎カーテンが義務というわけではありません。
たとえば、一般住宅や低層アパートなどは原則として義務の対象外です。
ただし、学習塾や店舗兼用住宅など、不特定多数の人が出入りするなどの用途がある場合は、部分的に義務となることがあります。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/bouen/p03.html
※東京消防庁 防炎防火対象物
5.防炎カーテンを使う3つのメリット
5-1.火災時の安全確保
防炎カーテン最大のメリットは安全性です。
延焼を抑え、被害を最小限にします。
5-2.避難時間の確保
カーテンからの延焼を食い止めることで、避難しやすくなり、被害を抑えられます。
5-3. 耐久性が高い
防炎カーテンは品質の高い素材が多く、長く使えるのも特徴です。
公共施設だけでなく、安心を求める一般家庭でも採用が増えています。
安全性と経済性を両立できることから、公共施設や商業施設だけでなく、一般家庭でも人気が高まっています。
6.防炎カーテンの選び方
防炎カーテンを選ぶときは、設置場所と目的を意識することが大切です。
機能を併せ持つタイプもあり、用途に合わせて選ぶとより効果的です。
ホテルやオフィスではデザイン性も重要ですが、病院や介護施設では、遮光や抗菌などの清潔感や機能性が重視されます。
6-1.防炎性能を確認
購入時には「防炎ラベル」が付いているかを必ず確認しましょう。
防炎カーテンであるかどうかは、製品に付いている「防炎ラベル」で確認できます。
このラベルは、一般財団法人 日本防炎協会が定めた基準に基づき発行されるもので、防炎性能が認められた製品にのみ貼付されます。
6-2.防炎カーテンの生地タイプと特徴
防炎カーテンには主に「防炎加工タイプ」と「防炎繊維タイプ」の2種類があります。
どちらも防炎性能を満たしていますが、「どのような環境で・どのくらいの期間使うか」によって最適な選択は変わります。
| 特徴 | おすすめの設置場所 | 耐久性 | |
| 防炎加工タイプ | ポリエステルなど一般素材に防炎薬剤を施したもの。コストを抑えやすく、デザインも豊富。 | ホテル・店舗・高層マンションなど、デザイン重視で定期交換も可能な場所 | 中程度 (3〜5年で交換推奨) |
| 防炎繊維タイプ | 原糸自体が燃えにくい素材でできており、洗濯を繰り返しても防炎性能が持続。 | 病院・介護施設・学校など、衛生管理が厳しく洗濯頻度が高い場所 | 高い(5〜10年程度使用可能) |
ホテルや店舗など、定期交換やインテリア性を優先する場合は、防炎加工タイプ、
病院や介護施設などの洗濯やクリーニングを頻繁に行う場合には、防炎繊維タイプがおすすめです。
7.防炎カーテンを使用しないと罰則がある?
防炎カーテンの使用は「努力義務」ではなく、特定の建物では「法的義務」です。
もし義務対象の施設で防炎性能のないカーテンを使用していた場合、消防署の指導・命令の対象となり、最終的には30万円以下の罰金が科される可能性があります。
定期点検時には、防炎ラベルの有無を必ず確認しましょう。
まとめ
防炎カーテンは、火災リスクを減らし、安全で安心な空間づくりを実現するアイテムです。燃えにくい素材や加工が施されているため、万が一のときにも被害を最小限に抑えられます。
ホテルや店舗、病院などの施設だけでなく、家庭でも導入が広がっています。
安全性とデザイン性を両立したカーテンで、誰もが安心して過ごせる空間をつくりましょう。
ラジエルカーテンでは、防炎カーテンについてのご相談を承っております。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
RECOMMENDATION 最新記事
カーテンのOEMって何ができるの?活用例もご紹介
カーテンのOEMでは、幅広いカスタマイズが可能で、お客様のニーズに合わせたオリジナルのカーテンを製作することができます。 カーテンOEMのメリットは、自由度の高さにあります。既製品ではなかなか見つからないような、オリジナ […]
ショップだけの個性を!オリジナルカーテン展開のための成功ガイド
インテリア市場は競争が激しく、他店と差をつけるために大切なのが「オリジナリティ」です。オリジナルカーテンを展開することで、独自のブランドイメージを確立し、他にはない魅力を提供できます。 オリジナルカーテンの製作は、大規模 […]
カーテンOEM依頼が初めてでも安心!流れと成功のためのポイント
カーテンOEMは、自社ブランドのカーテンを他社に委託して製造する仕組みで、商品ラインアップの充実やコスト削減を図ることが期待できます。 カーテンのOEM製造では、製品のコンセプトやデザインを決め、企画から製造までのプロセ […]