
カーテンに使われる生地の素材 10種類の特徴をご紹介
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カーテンに使われる生地の素材 10種類の特徴をご紹介

カーテンを選ぶときには、素材も確認しておきたいポイントです。
カーテンを「柔らかくナチュラル」に感じたり「光沢がありエレガント」と感じたりと、カーテンの印象を決める一つの要因が素材です。
また、開け閉めのときの手触りや、それぞれの特徴や取り扱い方法も異なります。
選ぶ素材によって、機能面だけでなく、空間の印象や季節感も変わるため、部屋の用途や好みに合わせた素材選びが大切です。
本記事では、カーテンに使われる代表的な10種類の素材と、その特徴をご紹介します。
理想のカーテン選びの参考に、ぜひお役立てください。
◆使われる素材
カーテンで使用されているおもな素材には、大きくわけると「化学繊維」と「天然繊維」の2種類があります。
そのなかでもよく使用される、化学繊維6種類と、天然繊維4種類の特徴をご紹介します。
◆化学繊維
・ポリエステル
・ナイロン
・アクリル
・モダクリル
・再生ポリエステル
・レーヨン
◆天然繊維
・コットン(綿)
・リネン(麻)
・ウール
・シルク
1.化学繊維
化学繊維には、主原料が石油などから作られる「合成繊維」と、天然由来・化学由来のものを化学的に加工し、繊維として作られた「再生繊維」があります。

化学繊維 | 合成繊維 | ポリエステル・ナイロン・アクリル |
再生繊維 | レーヨン・再生ポリエステル |
形崩れしにくく軽くて強いため、カーテンとしても取り扱いやすい素材です。
加工がしやすく、カーテンのさまざまな機能を付加しやすいのも化学繊維の特徴です。
一方で、天然繊維に比べて化学繊維は、静電気がおきやすいというデメリットがあります。
1-1.ポリエステル
おもに石油を原料とした合成繊維。衣類でも多く使用されているポピュラーな素材です。
カーテンでも、レースのものでは99%以上に使われるなど、最も多く使用されています。
ポリエステルにはツルツルと光沢があり、美しい見た目です。
薄い生地から厚手の生地まであり、デニムやスエードのような仕上がり、サテン風のものまで生地の種類が豊富にあります。
カラーやプリントなど、デザインも幅広いラインナップから選べます。
〈特徴〉
・しわになりにくく、美しいプリーツがキープできる
・紫外線をカットし、色あせや変色しにくい
・丈夫でカビや虫にも強い
〈取り扱い〉
・汚れやにおいがつきやすい。
・丈夫で乾きも速く、洗濯しても縮みにくい
1-2.ナイロン
石油を原料とし、化学繊維のなかで最も強いといわれているナイロン。
その強さから、衣類だけでなく、バッグや釣り糸などにも使用されています。
ナイロンジャケットやボディタオルをイメージしていただくと分かりやすいと思いますが、ビニールのようにシャカシャカとする質感です。
カーテンにナイロン100%として使われることは少なく、ほかの素材と混ぜて(混紡)使用されていることが多いです。
以前は、直射日光で黄色く変色しやすいという点がデメリットでしたが、現在は改良されてきています。
〈特徴〉
・摩擦やひっぱりに強く丈夫
・カビや虫に強い
・汚れに強くお手入れしやすい
・軽い
・燃えにくい
〈取り扱い〉
・熱に弱くアイロンや乾燥機の使用には注意が必要
・摩擦により毛玉ができやすい・直射日光などで黄色く変色しやすい
1-3.アクリル
石油を原料とした、アクリロニトリルという成分から作られているアクリル。
ウールのような素材でふわふわとした弾力が特徴です。
衣類では、冬物の衣類でよく使用されています。
カーテンでは、断熱や防音、遮光機能などの機能性カーテンや、厚手のカーテンの一部として使用されることがあります。
カーテンの加工としてよく使用されるものに「アクリル樹脂」がありますが、主成分が異なり、繊維のアクリルとはまた別のものです。
〈特徴〉
・ふっくらと柔らかい
・保温性が高い
・ウールよりも強く扱いやすい
・伸びたり縮んだりしにくい
・吸湿性・吸水性が低い
〈取り扱い〉
・摩擦により毛玉ができやすい
1-4.モダクリル
初めて目にする方も多い素材ではないでしょうか。
モダクリルは、以前は「アクリル系」と呼ばれていた素材のことを差しますが、2022年に「モダクリル」へと用語変更が行われました。
成分がアクリルと同じ「アクリロニトリル」なため、特徴はアクリルとよく似ていますが、アクリロニトリルの質比重が違います。
モダクリルは塩化ビニルなどを重合させ、燃えにくくしているのが大きな違いです。
カーテンでは、その特徴を活かし、防炎のものに使用されています。
〈特徴〉
・難燃性がある
・ウールのようにふっくらと柔らか
・虫やカビに強い
・保温性に優れる
〈取り扱い〉
・摩擦により毛玉ができやすい
・アクリルより熱に弱く、アイロンや乾燥機の使用には注意が必要
1-5.再生ポリエステル
最近増えてきているのが、再生ポリエステル(リサイクルポリエステル)。
ポリエステルという名前がついていますが、リサイクルで回収されたペットボトルを再利用して作られています。
環境に優しく、使用することでサステナブルな取り組みにもつながります。
さらりとした手触りで、UVカットや遮光などの機能つきのものも多く発売されています。
〈特徴〉
・軽くて丈夫
・しわになりにくく美しい形をキープする
・さらっとした触り心地
・虫やカビに強い
〈取り扱い〉
・毛玉ができやすい
1-6.レーヨン
カーテンでよく使われている再生繊維に「レーヨン」があります。
木材パルプを原料とした、シルクに似せて作られた素材で、下着にも使用されることもあります。
光沢があり、とろりとなめらかな触り心地です。
美しいドレープを作るのが得意で、上品なベルベットのカーテンにも使用されることがあります。
〈特徴〉
・吸湿性に優れる
・なめらかで光沢が美しい
・染色性に優れる
〈取り扱い〉
・水、摩擦に弱く、洗濯により傷んだり縮むことがある
・しわになりやすい
2.天然繊維
カーテンでよく使用される天然繊維は、コットン(綿)・麻・ウール(毛)があります。
自然の素材を使用しているため、柔らかく優しい風合いが特徴です。

天然繊維 | 植物繊維 | コットン・リネン |
動物繊維 | ウール・シルク |
ドレープは比較的ゆったりとしたものが多く、ナチュラルな印象になります。
なかには遮光や断熱などの機能性カーテンもありますが、基本的には天然繊維の特徴を活かした機能や、自然な採光を取り入れるものが多いです。
天然繊維は、湿気などの水分を吸収することで伸縮し、サイズ感が変わることがあります。
2-1.コットン(綿)
天然の植物から採れるコットンは、タオルやTシャツにも使われており、私たちの日常でもおなじみの素材です。
ふんわりと優しい雰囲気で、ナチュラルなお部屋の雰囲気を演出できます。
柔らかで清潔感のある、ガーゼ生地のカーテンも人気です。
コットンは染色性に優れるため、ビビットなカラーやビタミンカラープリントなど、カラーやデザインのバリエーションが豊富です。
〈特徴〉
・天然ならではのナチュラルな雰囲気
・丈夫で、虫にも強い
・通気性、吸湿性がよく室内を快適に保つ
・毛玉ができにくい
〈取り扱い〉
・しわになりやすい
・色落ちしやすい
・窓の結露によるカビには注意
2-2.リネン(麻)
麻の種類の一つで、亜麻科である植物の茎の繊維を原料とする天然繊維です。
通気性に優れ、さらっとした手触りが心地よいリネン。
軽やかで透け感があり、お部屋に優しい光を取り込みます。
ゆるっとした柔らかなウェーブがリラックス空間を演出し、ナチュラルやリゾートテイストのインテリアとも相性が良いです。
リネンは洗濯により縮むことがあるため、購入の際には、少し長めの丈を選ばれるのがおすすめです。
〈特徴〉
・通気性や保湿性に優れる
・丈夫で耐久性が高い
・湿度を吸収・放出し、室内を快適に保つ
・伸縮性がない
〈取り扱い〉
・色落ち、変色しやすい
・しわになりやすく、洗濯により縮むことがある
2-3.ウール(毛)
羊毛から作られるウールは、ふっくらと厚みがあり保温性に優れ、セーターやマフラーなどの冬物の衣類によく使用されています。
ウールを100%使用したカーテンは珍しく、厚地なカーテンの一部に使用されることがあります。
お部屋を重厚感のある雰囲気に。
〈特徴〉
・保温性が高い
・湿気を吸収・放出し、室内を快適に保つ
・しわになりにくい
・汚れがつきにくい
・高価
〈取り扱い〉
・虫食いに注意が必要
・ドライクリーニング
・洗濯可能のものは中性洗剤を使用
2-4.シルク
蚕が作った繭から作られる、希少で高級な素材です。
美しい光沢となめらかさがあり、お肌にも優しい素材としてもよく知られています。
シルク100%のカーテンは輸入品が多く、お部屋を上品で洗練された雰囲気にします。
〈特徴〉
・調湿性に優れる
・夏は涼しく、冬は温かい
・高価
・白いものは直射日光で黄色く変色しやすい
・虫やカビに弱い
〈取り扱い〉
・シミになりやすいため汚れは早めに落とす
・ドライクリーニング
・洗濯可能のものは中性洗剤を使用
2-3.混紡生地
「混紡生地」といって、2種類以上の繊維を混ぜて作られた生地もよく使用されています。
繊維を組み合わせることでメリット面を強化し、より良い生地にすることが目的です。
繊維の組み合わせや割合は生地により異なります。
上記で紹介した各素材のデメリットも、混紡生地を使用することで改善していることが多いでしょう。
◆まとめ
カーテンはさまざまな素材で作られ、素材でもカーテンの印象は大きく変わります。
特徴や取り扱いも異なるため、カーテンを選ぶ際には素材も確認しておくとよいでしょう。
化学繊維は、軽くて丈夫で取り扱いやすく、美しいプリーツをキープできます。
加工がしやすいため、機能性カーテンも豊富です。
天然繊維は、優しい風合いや柔らかなドレープが、心地よいナチュラルな空間を演出します。
基本的には天然繊維の特徴を活かした機能や、自然な採光を取り入れるものが多いです。
同じ素材でも、ひとつひとつの商品によって違いがあるため、お手入れや洗濯の際には、取り扱い表示を確認して行いましょう。
購入の際には、店頭やサンプルで実際の生地を手に取って確認されることをおすすめします。
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